「小児のCOVID−19について」

 

オミクロン株の流行に伴い小児の新型コロナ感染症の状況はデルタ株流行時と大きく変化しました。

デルタ株の流行時は子どもに感染が少なかったのですが、オミクロン株は子どもの感染が多くなっています。

子どのオミクロン株の症状は軽いことが多く、限りなく通常の風邪に近い印象です。

いずれは新型コロナ感染症が通常の風邪として扱われるようになる過渡期に入ったことを願っています。

 

************(以下はデルタ株流行時)

小児の新型コロナウイルス感染症(COVID−19)の特徴

1、 小児は成人に比べ感染しにくい可能性が示唆されている。

2、 COVID−19患者全体の中で小児の占める割合は少ない。
  (ただし、感染の拡大に伴いその割合は増えて来ている)

3、 小児COVID−19の感染経路は家族内感染が多い。
  (小児が発端者となることは稀である)

4、 保育所や幼稚園・学校でのクラスターも起こってはいるが、今のところ社会全体からみると多くはない。

5、 感染しても無症状〜軽傷が多く、死亡例は稀である。

 

今のところ症状で小児のCOVID−19を診断することは不可能(通常の風邪症状と区別できない)であり、COVID−19を疑われる人との接触歴(2週間以内)があるかが重要な点となります。

COVID−19を疑われる人との接触歴(2週間以内)がある場合には、来院する前に電話でお知らせ下さい。

海外のデータになりますが、5歳未満の新型コロナ肺炎の推定致命率は0.15-1.35%で、RSウイルス肺炎の推定致命率0.3-2.1%より低くインフルエンザ肺炎の推定致命率0.14-0.45%より高いとされています。肺炎球菌ワクチンやHibワクチンの対象疾患である侵襲性肺炎球菌感染症と侵襲性Hib感染症の致命率はそれぞれ5.6%、4.56%です。予防接種の多くは小児にとってCOVID−19よりも重症で致命的な感染症から子どもを守っているので、COVID−19を怖がって予防接種の機会を逃すことのないようにしてください。

 

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