2009/02/08

   

ぜんそく(喘息)

 小児期の「ぜんそく」に関わる医療(治療)の状況は、
ここ数年で大きく変化し以前に比べ確実に良いものとなってきています。

 中でも、ステロイド剤の吸入療法による早期からの治療介入による効果は、
診療している立場からも目を見張るものがあります。

 「ぜんそく」に対する親の知識不足や間違った思い込みや等で辛い思いをするのは子どもたちです。

 「ぜんそく」を持った子どもたちの健やかな成長のために、
親と我々医療者は、より良い「ぜんそく」管理に努めなければならないと思います。

 

少し前に制作したものを流用したので多少情報が古い部分がありますが早い内に更新します。

 
   
 

以下ガイドラインも参考にしてみて下さい

「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン(旧2002年版)」

  リウマチ・アレルギー情報センター(http://www.allergy.go.jp/allergy/guideline/index.html)

「一般臨床医のための喘息治療ガイドライン2007」

  財団法人 日本アレルギー協会(http://www.jaanet.org/medical/guide.html)

 

   

 

「ぜんそく(喘息)」治療に対する基本的な考え方

 

 「ぜんそく」治療の目標は、単に「発作がない」ということだけでなく、「日常生活だけでなくスポーツなどの活動を普通に行える」ことに加え、「肺機能が正常」に維持されることです。

 治療によりこのような状態を維持し、最終的には薬による治療が必要なくなること(治癒)が理想的です。

 「症状が軽いから」、「スポーツ等の活動を控えていれば日常生活程度では苦しくならないから」、「とりあえず今は苦しくないから」、「子どものぜんそくは、大きくなれば治るだろう」などの考えで中途半端な管理(治療)をしてはいないでしょうか?

 軽い症状でも、ある頻度で症状を繰り返したり、症状が持続する時には、そのままにしていると肺や気管支にダメージが残り「ぜんそく」の状態が悪くなり、さらに治りにくくなってしまいます。

 治療して良い状態を保つことで、「小児のぜんそく」は治癒(薬を必要とせず症状がでない)が期待出来ます。中途半端な管理(治療)はそのチャンスを逃してしまうことになりかねません。

 辛い思いをするのは「ぜんそくを持った子どもたち」です。親の知識不足や勝手な思い込みで、子どもたちの健やかな成長を妨げないようにしてください。

 治療の目標を達成するために我々医療者も役にたてるよう努めていきます。

 

   
     
 

 「ぜんそく」とは

 どんな症状があったら「ぜんそく」が疑われるのか?

 治療について ー 「発作治療薬」と「長期管理薬」

 「ぜんそく」は治るのか?

 検査について ー 特にアレルギー検査について

 追補:小児喘息治療・管理ガイドライン2005から発作型(重症度)、長期管理治療の目安

   (最新版は2008となっています。出来るだけ早い時期に更新したいと思います

 
     
     
 

「ぜんそく(喘息)」とは

 

 呼吸をする時に、ヒューヒュー・ゼーゼー・ピーピーといった音(喘鳴=ぜんめい)が聞こえて息が苦しくなるようなことを繰り返し認みとめる時に「ぜんそく」が疑われます。

 「ぜんそく」は、検査をしてアレルギーなど何か特定の所見があればそれだけで診断を確定はできません。症状やその経過が重要で、それに加え家族歴やアレルギーなどの検査などを参考にして診断していかなければなりません。

 そのため、上記の様な症状は他の病気でも認められることがあるので、それらを必要に応じて除外しなければなりません。

 

 ただし、上記の症状は典型的な状態を単純化したものなので、それだけでは言い尽くせないことが多くあります。

 症状については、別項『どんな症状があったら「ぜんそく」が疑われるのか?』を参照してください。

 

 小児の「ぜんそく」の多く(90%程度)はアトピー素因を有しており、小児の「ぜんそく」発症の主要な要因と考えられています。(注:あくまで要因の一つであり原因ではありません)

 アトピー素因に代表される遺伝的な素因に加え、さまざまな環境要因が作用して「ぜんそく」は発症します。

 発症の時期は、乳幼児期が多いのですが、頻度は少なくなりますが乳児期以降いつでも発症する可能性はあります。

 

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どんな症状があったら「ぜんそく(喘息)」が疑われるのか?

 

1、ヒューヒュー、ゼーゼー音がする(喘鳴=ぜんめい)

 呼吸に伴い喘鳴が聞き取れるということは、喉から肺までの空気の通り道(気道)のどこかが狭くなっていることを意味します。

 「ぜんそく」の場合には、模式図のように気管支で空気の通りが悪くなり、主に息をはくとき(呼気)に音がします。
 ただし、 状態が悪くなれば息を吸うときに(吸気)にも音が聞こえるようになり、更に状態が悪くなると空気の通り自体が少なくなってしまい音は聞こえにくくなってきます。

 「ぜんそく」以外の原因でも気道が狭くなれば喘鳴を認めます。
  特に乳幼児期には、「かぜ」などの比較的一般的なことでも喘鳴を認めることがあります。

 しかし、繰り返し喘鳴を認める場合には「ぜんそく」を疑う必要があります。

 

2、咳が続く

 「夕方から寝る前、朝方になると咳がでる」、「走ったり、はしゃいだりすると咳がでる」、「熱もなく、咳が続く」、「季節の変わり目(秋、梅雨のころ)になると咳がでる」など咳が続くときには注意が必要です。

 「風邪がなかなか治らない」、「薬を飲むと良くなるが薬を止めるとまた症状を繰り返す」も要注意。

 普通の風邪症状なら、1週間(長くても2週間)もすれば自然になくなるでしょう。

 それ以上続くときには、他の原因を考えなければなりません。

 前述のような喘鳴が聞き取れなくても、「ぜんそく」の可能性はあります。

 鼻水がでているから風邪と思っている方もいると思いますが、「ぜんそく」で咳がでるようなときには「(アレルギー性)鼻炎」症状を伴っていることが多いものです。

 

3、呼吸が苦しい

 ある程度の年齢になれば、「息がが苦しい」と自分で意思表示できると思います。

 しかし、初めて「ぜんそく」の発作を経験したときなどは、「お腹が痛い」「吐く」など「息が苦しい」とは関係ないような訴えで病院に受診する子もいます。
 また、まだ言葉で意思表示ができない 乳幼児などは、その子の様子をみて「呼吸の苦しさ」を見て取ってあげなければなりません。

 「呼吸が速い」、「息を吸うたびに、のど元やお腹をへこませる(陥没呼吸)」、「肩で息をする、呼吸のたびに頭が揺れる」、「ぐずって眠れない、食欲がない、元気に遊べない、など日常生活が障害される」などのときは、息が苦しい徴候です。

 

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治療について ー 「発作治療薬」と「長期管理薬」

1、「ぜんそく」の治療について

2、「発作治療薬」について

3、「長期管理薬」について

 

1、「ぜんそく」の治療について

 「ぜんそく」は、『咳・喘鳴・呼吸が苦しいなどの症状がでているときにその症状を治める治療(発作時治療)』と『症状がなくても症状がでないようにする予防的な治療(長期管理)』の二つに分けて考える必要があります。

 発作時治療は症状がでているときの治療なのでその必要性は受け入れやすいと思いますが、 長期管理は症状が治まっているのになせ治療が必要なのか最初から受け入れづらいのではないかと思います。

 「ぜんそく」は、表面上症状が治まっているようにみえても気管支では慢性の炎症が持続していて、この状態を放って置いたり・頻繁に症状(軽い症状も含む)を繰り返したりしていると気管支が元の正常な状態に回復できないようなダメージを受けてしまい、その結果「ぜんそく」の重症化や成人してからも「ぜんそく」を持った状態が続く危険性が増してきます。

 このようなことに出来るだけならないように、表面上症状が落ち着いているような場合でも長期に治療管理を行う必要があります。

 実際には、十分な治療管理をしていても症状が完全にコントロールできなかったり、「ぜんそく」を持ったまま成人していまう場合もありますが、状態を悪化させないよう管理を続ける必要があります。
  一方で、十分な治療管理をすることで治癒・寛解出来たであろう喘息が十分な治療管理されずにいる場合も少なくありません。
  治癒・寛解にいたらなくても治療管理することで症状のコントロールされた良い状態を維持することは可能です。

 ただし、全ての「ぜんそく」が長期的な治療管理が必要なわけではなく、軽症で症状が出たときだけの処置だけで十分な場合のことも少なくありません。
 (下の図表の「治療ステップ−1」の発作に応じた薬物治療が相当します。)

 「ぜんそく」の治療は、ここに紹介する薬物治療が主体となるのですが、その他に「環境の整備」「心身の鍛錬」など個々の状態に併せ薬物以外の対応も重要な要素となります。

 ただし、「大きくなればいずれ治る」「薬を使わず鍛えて治す」など薬なしでの治療は大きな間違いです。

 

 以下の図表は、小児気管支喘息治療・管理ガイドライン(2002)での症状と治療段階の目安です。

 *現在2008年度版が最新のものですが基本的な考えは同じです。(早い内に更新はする予定です)

 
 
 

 

2、「発作治療薬」について

 咳、喘鳴、呼吸が苦しいなどのその時にでている症状に対してその症状を軽減するために使われる薬剤です。

 病院で処方され家庭で使用する薬剤と医療機関で点滴などで使用される薬剤と2つに分けられます。

 ここでは、家庭で使用される薬剤について紹介します。

 
 

 

1、経口β2刺激薬: メプチン(ミニ)、ホクナリン、ベネトリン など

2、吸入β2刺激薬: ベネトリン、メプチン など

   吸入はスプレー式のものと、吸入器(ネブライザー)を使用してインタールなどと一緒におこなう液状のものがあります。

3、テオフィリン徐放製剤: テオドール、テオロング、スロービットなど

4、経口ステロイド薬: プレドニン、リンデロンなど

 

 即効性のあるのは「β2刺激薬」で、特に発作時には「吸入薬」が一番の適応となります。

 β2刺激剤貼付薬(テープ)に関しては、効果発現に数時間を要するため、発作時の治療には適していません。
 また、経口β2刺激薬との併用も避けるべきです。

 「経口ステロイド薬」も適切に使用すれば非常に有効な薬剤です。

 「テオフィリン徐放製剤」は即効性は期待出来ませんが、「長期管理薬」としての効果も併せ持っており日本でのぜんそく治療の中核となってきた薬剤です。最近の治療手段の改善に伴いその役割は限定されてきていますが、それでも喘息治療にはかかせない薬剤です。

 いずれにせよ、「とりあえず症状が軽減出来ればいい」と自分勝手な不適切な使用は薬の副作用を招いたり、ぜんそく自体の悪化を招くこととなるので、必ず医師の指示にしたがった使用をして下さい。

 
 
 

 

3、「長期管理薬」について

 症状が見かけ上治まっていても継続することで、症状をでないように管理するための薬です。

 治療を続けることで気管支での炎症を治め、「ぜんそく」が増悪しないようにし、良い状態を維持することで「ぜんそく」を治癒・寛解に導入するために欠かせないものです。

 症状が落ち着いてきて「いつまで続けなければならないのか?」「もう治ったのでは?」と勝手に薬を中断しないようにして下さい。

 「いつまで?」に決まった答えはありません。個々の状態によってその答えはさまざまだからです。ただし、みなさんが「もう良いのでは?」より長いことがほとんどだと思います。

 多くの場合は、年間と通じての状態で判断することとなります。(つまり年単位の経過観察が必要となります)

 
   

 

1、吸入ステロイド: フルタイド、パルミコート、キュバール など

2、長時間作動型吸入β2刺激薬: セレベント

3、吸入ステロイド/長時間作動型吸入β2刺激薬の合剤: アドエア

4、β2刺激剤貼付薬(テープ): ホクナリン など

5、経口抗アレルギー薬  ロイコトルエン受容体拮抗薬: オノン、シングレア、キプレス

             ヒスタミン拮抗薬: ザジテン、セルテクト、ゼスラン など

             化学伝達物質遊離抑制薬: リザベン、アレギサール など

             Th2サイトカイン阻害薬: アイピーディ(IPD)

6、吸入抗アレルギー薬: インタール

7、テオフィリン徐放製剤: テオドール、テオロング、スロービット など

 

 吸入ステロイドが、長期管理薬の中心となります。

 通常の量での重大な副作用の心配はなく、小児でも早い段階で開始することでより良い結果が期待できます。

 吸入補助器具を使用することで乳幼児からの吸入も可能です。

 長時間作動型吸入β2刺激薬は、長期管理薬として吸入ステロイドと併用することで非常に有用な薬ですが、ある程度の即効性も期待出来る薬です。

 β2刺激薬は、単独での使用はせずに必ず吸入ステロイドや抗アレルギー薬などの抗炎症作用のある薬剤と併用することが原則です。

 

 「ぜんそく」の長期管理薬としての気管支の炎症を押さえる強さを比較し順位をつけると以下のようになります。
(あくまで目安)

1、吸入ステロイド+長時間作動型吸入β2刺激薬

2、吸入ステロイド

3、ロイコトルエン受容体拮抗薬

4、吸入抗アレルギー薬/テオフィリン徐放製剤

5、その他の経口アレルギー薬

 

 しかし、実際には単純にこの順位を適応するのではなく、症状の程度や経過・年齢・「ぜんそく」以外のアレルギー症状(アトピー性皮膚炎や鼻炎など)との兼ね合いなどいろいろな要素を考慮して適応を決めていきます。

 また、それぞれ併用することでより効果を期待することができます。

 

 
 

 

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「ぜんそく(喘息)」は治るのか?

 

 非常に難しいテーマです。

 その時でていた症状がなくなっただけでは治ったとはいえません。
 ガイドラインでは、治療なしに症状がない状態が5年以上持続している場合を治癒としています。

 ただし、これでも十分と言えない部分があります。例えば、「ぜんそくで治療をかかせなかった子が転居(転地)したら症状もなくなり治療の必要なくなって治ったと考えていたら、何年後かにまた元の場所に戻ってきたら症状が出始めた。」というようなことがあります。

 厳密に治ったと判断するのは実は非常に難しいのです。

 

 「小児のぜんそくは時期がくれば治る」と言う話をよく聞くのではないでしょうか。 その一方で「ぜんそくは治らない病気」といった全く逆の話も聞いたことがあるのではないでしょうか。

 どちらが正しいのかというと、どちらも正解といえます。

 1、「小さい頃に喘鳴症状を繰り返していたけれど小学校にあがる前や思春期前までに症状もなくなり治療の必要がなくなった」
 2、「子どもの頃にぜんそくといわれていたが、その後治ったと思っていたら成人してからまたぜんそくがでてきた」
 3、「子どもの頃から大人になってもずっとぜんそくの管理治療がかかせない」

 小児のぜんそくの経過はだいたい以上の3つの経過に集約されます。

 現在、小児のぜんそくは治療手段の改善により日常生活(スポーツ活動と含む)や成長にまったく支障ないように管理することが可能となってきています。しかし、ぜんそくと診断した時点でどのような経過になるのか予測することは非常に困難です。

 上記の1のような経過の中には厳密には「ぜんそく」と分けて考えなければならない病態が多く含まれている可能性がありますが、現在それらを的確に区別することは出来ていない(出来ない)状況です。
 (この点に関しては、現在医療者側の重要な検討課題となっています)

 

 大雑把な表現ですが、ぜんそくといわれた半分以上の子が思春期までにはよくなるのではないかと考えられています。
 (ただし、上記の2のような経過になる可能性は残されます)

 

 ぜんそくは吸入ステロイドなどの早期からの治療介入で明らかに症状のコントロールは良くなってきました。しかし、それに伴って本当の意味での治癒(治った)が導かれるのかは、現在のところまだ結論がでていません。

 個人的な印象ですが、小児科医として約20年たって、治療手段の改善によって明らかに入院を繰り返すような重症なぜんそく症状がコントロールされない子たちは激減しました。また、ひどい症状はないのだけれど薬が延々と止められないようなことも吸入ステロイドの比較的早期からの導入により減ってきているように感じてます。

 

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検査について ー 特にアレルギー検査について

 

 最初に、これをすれば「ぜんそく」がかどうかが確定できるといった検査はありません。

 症状とその経過が診断する上で一番尊重されます。

 検査は、アレルギー体質があるのか、呼吸機能に障害があるのか、何か「ぜんそく」以外に病気がないか、などあくまで診断の参考にするために行われます。

 「ぜんそくの原因 = アレルギー(アトピー体質)」と思われている方が多いのではないでしょうか。

 小児のぜんそくは、別項(ぜんそくとは)に書いたようにアレルギーを持ったアトピー型が多いのは事実ですが、この場合でもアレルギーはあくまで喘息発症の要因の一つです。(ただし、最大の要因ではあります)

 また、アレルギーを持たない「非アトピー型のぜんそく」も存在します。

 「ぜんそくの検査」ということでアレルギー検査が行われていることがありますが、アレルギー検査が陽性ということだけで「ぜんそくの診断」はできません。

 以下に「ぜんそく」を疑ったときよく行われる検査について紹介します。

 

1、アレルギー検査(総IgE値と特異的IgE抗体価)

 よく外来で行われるのは、採血をして血液を調べる検査だと思います。

 この検査で、総IgE値(RIST)と特異的IgE抗体価(検査法の違いにより、RAST/CAP−RAST/MAST)を調べます。

 IgEはいくつがある抗体の中の一つで、アトピー素因とはこのIgEを介して生活環境にあたりまえに存在する物質(アレルゲン)に対して反応(アレルギー反応)しやすい体質のことをいいます。

 総IgE値は血液中のIgE全体の量を調べたもので、特異的IgE抗体価は、ダニ、ハウスダスト、花粉、卵白、牛乳などいろいろな特定の物質に特異的に反応するIgEの血液中の量を調べたものです。

 総IgE値が高値の場合アトピー性素因の存在が疑われます。
 さらに、何かしらの物質に対する特異的IgE抗体価が証明されてアトピー素因の存在が確定されます。

 ただし、何かしらの物質に対する特異的IgE抗体価が陽性であっても総IgE値が高値になるとは限りません。

 また、総IgE値が高いということだけで「アレルギーが強い」「ぞんそくがひどい」ということは言えません。

 検査でわかることは、「アトピー素因の存在」であり「ぜんそくの診断」ではありません。

 

     総IgE値(IU/L)の正常値目安   1歳未満   20以下
                         1〜3歳   30以下
                         4〜6歳  110以下
                         7歳以上  170以下

 

2、胸部レントゲン撮影

 胸のレントゲン検査の一番の目的は、「ぜんそく以外の他の肺や気管・気管支の病気の除外」です。

 「ぜんそくの発作時」や「経過の長いぜんそく」の場合ある程度ぜんそくに特徴的な所見が認められることはありますが、通常の状態で明らかな異常所見を認めることはほとんどありません。

 「ぜんそく」を疑い治療を開始しても、症状がなかなか改善しないようなときには必ず必要な検査となります。

 また「ひどい発作」の時にも合併症の存在を確認するために必要な検査です。

 

3、呼吸機能検査(フローボリューム検査)

 「ぜんそく」のの状態を客観的に把握するために非常に役に立ちます。

 ただし、ある程度の年齢にならないとしっかりと検査はできません。

 「表面的に症状がでていない」「本人は問題ない」といった状態でも検査を行うと呼吸機能に異常が認められることがあり、この場合いくら症状がなくても治療の中止は慎重に判断しなければなりません。

 

 フローボリューム検査は病院でおこないますが、これと別に自宅で毎日おこなうことでぜんそくの状態をみるための「ピークフロー検査」があります。

 これは簡便な器具を購入して自宅で毎日行い記録し、1日の中での変動、日ごとの変動からぜんそくの状態を判断するために行います。思いっきり息を吐いてその流速を測定します。正確におこなわれればぜんそくの管理に役立つものですが、正しい方法で正確におこなわないとまったくあてにできない欠点もあります。

 

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