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2014/06/22

   
 

ヒブ(Hib)ワクチンと肺炎球菌ワクチンについて

 

  原因に関係なく髄膜炎を予防するワクチンと思っている方もいるようですが、そうではありません。

 ヒブ(Hib)ワクチンは、ヒブ(Hib)=ヘモフィルスインフルエンザ菌b型という細菌による感染症を予防する為のワクチンで、肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌という細菌による感染症を予防する為のワクチンで、それぞれまったく別の感染症を予防するためのワクチンです。

 

 この2種類の細菌は、細菌性髄膜炎や敗血症といった小児期の重篤な細菌感染症の主要な原因菌で、小児期の細菌性髄膜炎(日本で年間約1000人)の約8割(ヒブ6割・肺炎球菌2割)の原因菌となっています。生後6ヶ月以降になると、細菌性髄膜炎の原因はほとんどこの2種類となります。

 細菌性髄膜炎の年間報告数は、1歳未満の乳児期の発生が最も多くその後年齢とともに減少していき、3歳以降になると数人程度になりますが、ヒブ(Hib)が原因の髄膜炎は5歳ごろまで、肺炎球菌が原因のものは10歳頃まで報告があります。

 年間発生数は少ないのでワクチン接種までしなくても、、、と思うかもしれませんが、細菌性髄膜炎は重症な感染症で死亡や後遺症のリスクのある感染症で、最近では抗生剤が効かない耐性菌も問題となっており、ワクチンによる予防が重要となってきます。

 ヒブ(Hib)ワクチンが2010年11月に公費助成の対象となり、2013年4月からは定期予防接種として行なわれるになり 、ワクチン公費助成前とその後の比較では、ヘモフィルスインフルエンザ菌b型による髄膜炎は約9割減少しました。

 肺炎球菌ワクチンも同様に、7価ワクチンが2010年11月公費助成対象となり、2013年4月からは定期予防接種化され、ワクチン公費助成前とその後の比較では、髄膜炎は約7割/非髄膜炎重症感染症は約5割減少しました。発生数減少しましたが、7価ワクチン導入後に発生している重症肺炎球菌感染症の原因菌として、当然のことながら7価ワクチンでカバーしていない型の菌の比率が増加しており、平成13年11月からは13価の肺炎球菌ワクチンが導入されています。

 

 

ヒブ(Hib)ワクチンについて

肺炎球菌ワクチンについて

 

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